中教審・教育課程企画 特別部会による「論点整理」とは何か。そして、次の学習指導要領はどうなる?

PART 1 次期学習指導要領を見据えて

2015年8月、中央教育審議会(中教審)の「教育課程企画特別部会」が「論点整理」を発表した。
これは、次の学習指導要領を議論するベースとなる論点をまとめたもの。
現在、この「論点整理」に基づいて、各教科等の部会で、
次の学習指導要領に向けての検討が着々と進められている。
この「論点整理」は、どのような方向を示しているのか。
次の学習指導要領は、どうなるのか。
東北大学大学院・情報科学研究科の堀田龍也教授にお聞きした。

東北大学大学院 情報科学研究科 堀田 龍也教授

1「論点整理」とは何か?

次の学習指導要領ができるまでのスケジュール

 「論点整理」とは何か。その前に、まず中央教育審議会(以下、中教審)とその組織について解説しましょう。

 まず中教審とは、文部科学省の外部の専門組織で、省外からさまざまな専門家が集まっています。この中教審に、文部科学大臣(以下、文科相)が、さまざまなテーマで諮問をします。たとえば大学入試改革についてであったり、生涯学習やスポーツ教育であったり、その諮問を受けて、中教審は議論し、答申を出します。

 2014年11月、下村博文文科相(当時)が、次の学習指導要領はどのような考え方で、どのような内容で作ればいいかについて議論してくださいと、中教審に諮問しました。その内容は、たとえばアクティブラーニングに代表されるような「学び方」が新たに入ってきたところが、大きな特徴です。

 これまでの学習指導要領は、どのようなことを学ぶかという「内容知」のみを体系化して示していました。しかし、これだけでは、知識は習得できても、それを有効に活用できていないのではないか? という疑問が出てきたのです。知識を習得するだけではなく、その知識を使う方法、つまり「方法知」を学ばなければいけないのではないか。知識だけ覚えても、これからの時代は役に立たないのではないか。こういった世論の高まり受けて、文科相は「次の学習指導要領はどうすればいい?」と、中教審に諮問したのです。

 この諮問を受けて、中教審は審議を開始しました。これまでのスケジュールでは、諮問を受けてからおよそ2年で答申が出されています。ですから、

今回は、16年の秋頃に、答申が出るのではないかと言われています。

 しかし、いきなり答申を出すわけではありません。その数か月前に、「答申案」が出されます。この答申案を公表し、パブリックコメントを受け付けたり、教育関係者や団体等からのヒアリングも行い、その結果をふまえて、答申がまとめられるのです。この答申案が出るのが、今回は16年の初夏頃かと思われます。

 しかし今回は、今までとは大きく異る点があります。これまでは、文科相から諮問を受けたら、各教科等の部会で、すぐ議論に入っていました。この方法だと、各教科で議論する時間はたっぷり取れますが、教科の枠を越えた議論が起こりづらいという課題があったのです。

 そこで、各教科部会の議論を始める前に、新たに設置した「教育課程企画特別部会」で、教科の枠にとらわれない骨太の方針を議論することになったのです。日本の教育史上、初めてのことです。

図1 次期学習指導要領改訂に向けた検討体制

※中央教育審議会(第101回)配布資料2-3より

「論点整理」とは何か?

 この「教育課程企画特別部会」が、昨年8月に公表したのが、「論点整理」です。これを受けて、現在、各教科等の部会で議論が進められています。つまり「論点整理」とはその名の通り、各部会で議論する「論点」を「整理」し、議論の方向性を明確にしたものなのです。

 この『チエルマガジン』が発行される4月には、各教科等の部会から審議内容の最終報告が出され、これを集約し、体系化して、初夏の頃に答申案が出ると思われます。

基本的な考え方は継続される

 「論点整理」を見ると、基本的な考え方は、現行の学習指導要領と変わりません。たとえば、「生きる力」や「学力の三要素」は、依然として重要視されています。

 1998〜99年改訂の学習指導要領の理念は、「生きる力」を育むことでした。「生きる力」とは、「確かな学力」「豊かな心」「健やかな体」で構成されます。いわゆる、「知・徳・体」です。

 その中の、「確かな学力」は、「学力の三要素」で構成されます。

①基礎的な知識および技能

② これらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力、その他の能力

③ 主体的に学習に取り組む態度

2「論点整理」の内容は?

なぜ「学力の三要素」が必要なのか

 なぜ、昔のように「①基礎的な知識および技能」だけでは、ダメなのでしょうか? 現代は、インターネットにつながる端末を誰もが持ち歩き、すぐに検索できる時代です。知識だけなら、検索すればすぐ得ることができます。

 しかも、未来の社会は、人間の想像を超えて激変する可能性が高い。たとえば人工知能の発達により、近い将来、多くの職業が無くなると言われていますよね。人工知能はテクノロジーを劇的に進化させ、もはや人類ではその進歩が予測不可能となる、シンギュラリティ(技術的特異点)が2045年に来るとも言われています。

 「論点整理」の冒頭でも、「将来の変化を予測することが困難な時代」と書かれています。将来を予測することが困難だから、どのような時代になっても適応し、自分の力で生きていくことができる人を育てなければならない。だから、「①基礎的な知識及び技能」以外の2要素が必要なのです。学んだことや収集した情報を、自分で「②思考し、判断し、表現する力」と、時代の変化に合わせて自分で「③主体的に学習する態度」があれば、どのように時代が変わろうとも、その荒波に呑まれることなく、人生の航路を進んでいくことができるはずです。

 また、日本の未来はとても険しいことが予想されます。今回の「論点整理」には多くの補足資料が添付されていますが、その冒頭で「2030年の社会と子供たちの未来」について、さまざまな資料を用いて解説しています。

 たとえば、日本の人口は減り続け、2030年には生産年齢人口が

10年の約8割にまで減ること。世界のGDPに占める日本の割合も低下していき、30年には3.4%まで落ち込むこと。このような状況で日本の国力を維持し、高めるには、国民一人ひとりのパフォーマンスを今よりも向上させなくてはなりません。

 こういった、来るべき未来に対応できる教育を、今、検討しているのです。だから、さまざまな教育改革が行われ、議論されているのです。すべての根本はここにあるのです。困難な未来を生き抜く人を育てるために、教育も変える必要があるのです。

図2 学力の三要素と生きる力

※教育課程企画特別部会「論点整理」補足資料より

幼稚園から大学まで一貫した改革が行われる

 そのため、次の学習指導要領では、幼稚園から小学校、中学校、高等学校、そして大学まで、一貫した教育改革が行われると思われます。

 みなさんもご存知の通り、大学入試も大改革を行います。センター試験に代わる試験では、「学力の三要素」の「①基礎的な知識及び技能」だけでなく、「②思考力、判断力、表現力」なども測ります。教科を超えた力を測定するようになるのです。

 大学入試が変われば、高等学校の教育課程も変わります。いわゆる、「高大接続の一体的改革」です。

 まず高等学校の学習指導要領を抜本的に見直し、教育課程そのものを改革します。

 図1の組織図を、もう一度ご覧ください。「高等学校の地歴・公民科科目の在り方に関する特別チーム」「高等学校の数学・理科にわたる探究的科目の在り方に関する特別チーム」がありますよね。このような科目を新たに作り、どんな力をどう育むか、今、検討しているところです。

 また、アクティブラーニングを飛躍的に充実させるなど、高校教育改革を行います。そして、先に述べたように大学入試改革も同時に行い、大学教育をも改革するのです。

幼小連携、小中連携も充実させる

 幼小連携も議論されています。「小1ギャップ」という言葉があるように、幼稚園や保育園から小学校に入る際の円滑な接続が、近年の課題とされています。

 子供の成長も早期化しており、幼稚園で簡単な算数やひらがなを教えているところも増えています。小学校入学前に、小学1年生に円滑につながる学習をしてもいいのではないか。その場合、何を学ばせるか、ということが議論されています。

 小中連携も、話題になって久しいですね。今のトレンドは、小学校6年間と中学校3年間で、「見通しを持って指導する」ことです。

 たとえば、中学の数学ではこのような力をつけさせたいから、その前に小学校でこういう学習をして、このような力をつけさせておこう。そんな長期的な視点に立った指導が今、求められています。その一例が、小中一貫校ですね。小学校と中学校をつなげて、9年間のカリキュラムを立てて、子供を育成する。各教科のカリキュラムを系統的に立てるだけでなく、教科の枠にとらわれない力も長期的に育む。これが、小中一貫校の考え方です。

 誤解しないでほしいのですが、すべての公立学校が、小中一貫校になるわけではありません。いろいろな学校があっていいのです。小中一貫教育を特色にする学校もあれば、国際理解に力を入れる学校、情報活用能力の育成に力を入れる学校など、さまざまな学校があって、それを保護者や子供が選択できる環境が望まれています。

 つまり、今後の学校は「特色」を出すことが求められるのです。どのような教育に力を入れ、どのような子供を育むのかを明確にし、アピールする必要があります。

 そこで重要になってくるのが、「カリキュラム・マネジメント」です。理想を言えば、外国語教育も情報活用能力も国際理解も、すべての教育を充実させるのがベストでしょうが、今の学校にはもう時間の余裕がありません。ですから、「うちの学校ではここは軽く学ぶが、ここは徹底的にやる」というように、各学校の裁量で、選択と集中を行う必要があります。これが「カリキュラム・マネジメント」であり、管理職の責任は、より重大になります。

「英語教育」は、どうなる?

 今回の「論点整理」では、外国語教育改革についてもかなりの分量を割いています。読者のみなさんも、どうなるのか気になるところではないでしょうか。

 実は今の学習指導要領でも、中学校で一番授業時数が多いのは英語です。週4コマ・年間140時間。これは国語や数学よりも多い時数です。しかし、これだけ時数を使っても、まだ足りない。でも、これ以上他教科の時数は削ることができない。ならば小学校のうちから学んでおこう、という考え方です。

 まず、高学年で週1コマ行っている外国語活動を、3~4年生に下ろします。そして、5~6年生では中学1年生で学んでいたような英語を「教科」として学習するようになります。

 高学年では、外国語活動の時間(週1)だけでは不足します。かといって、他教科の時間は、もうこれ以上削れません。海外に比べると少ない英語の授業時間をどこから捻出するかが、現在の大きな課題となっています。

 そこで、議論されているのが「短時間学習」です。朝の時間などを利用して、短時間で学習を行う方法です。

 たとえば1回15分を3回実施すれば、合計45分で1コマ分になる。このような「短時間学習」を積算して、授業時数にカウントできるようにしようと議論されています。

 幸い英語は短時間学習に向いています。1回15分のレッスンと考え、学習計画を立てやすいし、子供も短時間なら集中して覚えることができます。

図3 高等学校教育・大学教育・大学入学者選抜の一体的改革(骨子)

① 高等学校教育改革

学習指導要領の根本的見直し、アクティブラーニングの飛躍的充実。
◆ 教育の質の確保・向上を図り、生徒の学習改善に役立てるため、
 「高等学校基礎学力テスト(仮称)」を導入。

② 大学入学者選抜改革

◆ 各大学の個別選抜は、アドミッション・ポリシー(入学者受入方針)において明確化。
 多面的な選抜方法をとるものとする。
◆ 「知識・技能」を基盤として「思考力・判断力・表現力」を中心に評価する
 「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」を導入。

③ 大学教育改革

◆ アドミッション・ポリシーのほか、カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施方針)、
 ディプロマ・ポリシー(学位授与方針)の一体的策定・公表、カリキュラム・マネジメントの確立。
◆ アクティブラーニングへと質的に転換。

※教育課程企画特別部会「論点整理」補足資料より

育成すべき資質や能力を示した「三つの柱」とは?

 では、現場の先生方にはどのような授業や指導が求められるようになるのでしょうか。「論点整理」には、次の「三つの柱」の資質や能力を育成しましょうと書かれています。

⑴ 何を知っているか、何ができるか

 「学力の三要素」の「基礎的な知識や技能」に対応。各教科で学ぶべき知識は、今まで通りしっかりと教え、「習得」させましょう。

⑵ 知っていること・できることを、どう使うか

 「学力の三要素」の「思考力・判断力・表現力」に対応。学んだ知識を使って、考えたり発表したりする活動、話し合う協働学習などを繰り返し行い、思考力や判断力、表現力を高める必要があります。いわゆる「活用」です。

⑶ どのように社会・世界と関わり、より良い人生を送るか

 「学力の三要素」の「③主体的に学習に取り組む態度」に対応しますが、もっと大きな要素、リーダーシップや優しさ、思いやりなども含みます。

 ⑴を習得して、⑵のように活用して、⑶のような人間を育んでいく。各教科の垣根を越えて、教科横断的に育んでいく。これが「三つの柱」の考え方です。

 これまでの学習指導要領は、「⑴何を知っているか、何ができるか」しか記述されていませんでした。「⑵知っていること・できることをどう使うか」も大事だとは総則に記述されていますが、どの教科でどのように育むかは明記しておらず、各先生方にお任せ状態でした。その結果、先生の指導力によって、格差が生じていたのです。

 そこで次の学習指導要領では、「⑵知っていること・できることをどう使うか」も、しっかり明記します。たとえば理科なら、⑴の習得すべき知識だけでなく、理科ではこんな「思考力・判断力・表現力」を養いましょうという⑵に当たる内容も書かれます。どの教科も、このような"2階建て構造"になります。学習指導要領の「構造化」です。

図4 育成すべき資質・能力の三つの柱を踏まえた
日本版カリキュラム・デザインのための概念

※教育課程企画特別部会「論点整理」補足資料よりより

3 先生に求められることは?

先生がすべきこと ①基礎的な知識を、効率よく習得・習熟させる

 「習得」と「活用」が大事だと理解して、これまでも授業をしてきた先生なら、次の学習指導要領になっても、特に恐れることはないでしょう。やってこなかった先生は、次の学習指導要領にはしっかり明記されるので、襟を正して取り組む必要があります。

 習得した知識をもとに、思考し、判断し、表現できるようになるには、何よりもまず、基礎的な知識や技能をしっかり習得・習熟していることが先決です。たとえば、算数なら、九九や繰り上がりの計算などの基礎知識は、完全にマスターしていないと、それを使って考えることなどできませんよね。

 ここで、ICTが効きます。フラッシュ型教材や実物投影機などを使って、基礎的な知識は「わかりやすく、効率的に」教えるのです。そうすることで、「思考・判断・表現」などの活用する時間をたくさん確保できます。

 その好例が、恩納村立山田小中学校です。フラッシュ型教材を日常的に使い、漢字指導にも力を入れ、「基礎的な知識や技能」をしっかり習得・習熟させています。しかも、小中学校で一貫して実施しているのも特徴。そのために必要な機器や教材を、教育委員会がしっかり整備し、現場をサポートできていることも見逃せません。

 わかりやすく教える、という点では、『小学校の見せて教える理科』も、効果的な教材です。実験の手順や目的を提示して、子供たちが円滑に実験を進められるようにするとともに、実験結果をまとめる図表なども提示して、実験から学び取ったことを知識としてしっかり定着できる作りになっています。

 大田区立西六郷小学校の事例も、要注目です。同校では、特別支援学級の子供たちにタブレットPCを使わせて、基礎的な知識の定着を図っています。今回の「論点整理」では、特別支援教育も分厚く議論されました。困難を抱えて支援を必要としている子供は、通常学級にも数多くいます。誰にでもわかりやすい授業や指導を行うこと、授業のユニバーサル・デザインが、今後はますます重要になってきます。

先生がすべきこと ②学んだ知識を、「活用」させる

 「⑵知っていること・できることをどう使うか」の活動でも、ICTの効果が期待されます。

 たとえば、タブレットPC。タブレットPCを使えば、インターネットなどからさまざまな情報を集め、読み解き、整理し、プレゼンなどにまとめ、発表しやすくなります。

 またタブレットPCは、グループ内での協働学習を加速させます。タブレットPCを見ながら話し合い、意見をまとめ、発表する。それを電子黒板に映して素早くクラス全体で共有し、議論を深められます。

 三股町立三股西小学校では、『見せて教える社会科』を子供たち一人1台のタブレットPCに入れ、グラフを見ながら自分で操作し、読み解く活動を行っています。思考させ、判断させる場面を設けているのです。

 六ケ所村立南小学校では、『見せて教える社会科』を使って、「予想させる」活動を上手に授業に取り入れています。そして、これまでに習ったことを活用して、根拠を持って予想するように指導しています。習得した知識を「活用」する場面をどう作ればいいか悩んでいる先生方には、この2例はとても参考になるでしょう。

 タブレットPCを使って反転学習を行っている武雄市立北方小学校は「活用」の時間を増やす先進的な事例です。基礎的なことは、デジタル教材を使って家で予習し、授業が始まったらすぐ「思考・判断・表現」する活動を開始します。こうすることで、限られた授業時間を最大限に使っているのです。

 クラスの人数が少ないと、グループで話し合ったり、クラスでの議論が活性化しづらいという課題もあります。少子化が進行する今後は、日本各地でこのような課題が噴出してくるでしょう。そこで、へき地校の三好市立下名小では、インターネットで他の小規模校とリアルタイムでつながって、一緒に授業を受けています。異なる学校の子供同士が同じ班になって、協働学習をしているのです。

 こういったICT活用をうまく機能させ、成果を得るには、東みよし町立学校の高橋あゆみさんのようなICT支援員が必須です。彼女のように、ICTに詳しいだけでなく、授業や指導に詳しいICT支援員が求められています。

 ICTではありませんが、関西大学初等部では、「思考ツール」を使って、「思考力」を鍛えています。頭の中で考えさせるだけでは目に見えないので、指導も評価もしづらい。改善も成長もしづらい。そこで「思考ツール」の使い方をまず教え、各教科の考える場面で「思考ツール」を使用し、考える過程や結果を可視化。これなら、指導も評価もしやすくなります。どのような「思考力」をつけるかを校内で統一し、1年生から6年生まで、長期的な計画で育んでいるのも特徴ですね。

 この関西大学初等部の例は「方法知」を教えている好例です。「習得」した基礎的な知識や技能を「活用」する方法として、「思考ツール」を使って教えているのです。「方法知」を教えると、全員が同じ方法で考え、同じ結果になるのではないか、画一化してしまうのではと危惧する向きもありますが、そんなことはありません。むしろ、関西大学初等部では、一人ひとりが個性を発揮して、自分の思考パターンの傾向や特徴までつかんでいるようです。

「チーム学校」で取り組もう!

 これまでの話を聞いて、「私にはできそうもない...」と、不安になった方もいるのではないでしょうか。しかし、すべての先生が、すべてのことをできるようにならなくてもよいのです。「チーム学校」として、教職員が協力・連携していけばいいのです。

 先生にも、得意・不得意がありますよね。それぞれの先生が得意なところを発揮し合い、学校全体として取り組んでいけばいい。たとえば「思考力」を育むのが得意な先生がいるなら、その先生が各クラスの「思考力」を育む活動を受け持つようにすればいいのです。これも、カリキュラム・マネジメントの一つです。

 教職員だけでなく、保護者や地域の方々に協力を求めるのもいいでしょう。今回の「論点整理」では、「社会に開かれた教育課程」の重要性も指摘されています。保護者や外部の専門家を招いて、「②思考・判断・表現」を鍛える活動をしてもいい。英語が得意な保護者がいるなら、「土曜スクール」などの時間に、講師を務めてもらうのもいいでしょう。

どのような子供を育むのか...
その姿を常にイメージしてほしい

 ここ数年は、さまざまな教育改革が議論され、世間を賑わせてきました。「情報活用能力調査」など、さまざまな調査も行われてきました。すべては、次の学習指導要領を作るためだったのです。

 枝葉に目を奪われず、大事な根幹を見失わないようにしてください。「これからの時代はタブレットだ!」「アクティブラーニングさせないと!」「思考ツールがいいらしい!」と、周囲の話に振り回されていると、何のためにそれを使うのか、行うのかという大事な目的を見失ってしまいます。

 子供たちにどのような力をつけて、どのような姿に育てたいのか。これを忘れないようにしていただきたいと思います。

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