学年をこえたクラス編成を支えるICT ~教員の負担軽減で授業づくりに余裕〜

―東京都―
八雲学園中学校高等学校

創立から80年を迎えた2018年度に男女共学となり、本格的なICT導入に踏み切った八雲学園。新たなスタートから1年、語学教育に力を入れ、英語力を活かしたグローバル・リーダーの育成を目指す同校を取材した。

八雲学園中学校高等学校

八雲学園中学校高等学校
〒152-0023
東京都目黒区八雲二丁目14番1号

1938年、八雲高等女学校として創立された中高一貫教育の私立校で、2018年度より男女共学となった。特に英語教育に力を入れ、グローバルなシーンで活躍できる人材の育成を目指している。

一人1台のタブレットPCを導入

 八雲学園では、2018年度よりタブレットPCの導入を本格的にスタートした。現在では、共学となった中学1、2年生の生徒全員が入学時から一人1台のタブレットPCを所有し、校内、家庭を問わず活用している。 

 「生徒全員に一度に導入するのはなかなか難しいので、年度ごとに段階的に導入しています」と話すのは、学内のICTを担当する河東田敦先生だ。「持ち帰りに関しての制限は特にありません。家庭でWi-Fiに接続すれば、登録してあるコンテンツは全て、自由に閲覧や学習ができます」

ICTを活用した英検対策

 特に英語教育に力を入れる同校で、タブレットPCと同時に導入されたのが、クラウド型英検対策教材『旺文社・英検CAT』だ。英検の各級に合わせて、文法問題、語彙問題、過去数年分の試験内容が収録されており、進度に応じた出題システムと個々の学習履歴が記録されるのが特徴だ。

 「導入にあたって、様々な英検対策教材を試用したところ、英語の先生方から『使いやすい』という評価が最も得られたのが『旺文社・英検CAT』でした。過去問題やリスニング問題など、充実したコンテンツが決め手になりましたね」と語るのは、同校の英語教育を担当する近藤隆平先生だ。

学年をこえたクラス編成

授業は簡単な文法の説明から。生徒たちは鉛筆を手に、学習を進める。
授業は簡単な文法の説明から。生徒たちは鉛筆を手に、学習を進める。

 『旺文社・英検CAT』が活用されているのは週1コマの「英検対策」の授業だ。目指す英検の級ごとに編成されたクラスには異なる学年の生徒が混在する。近藤先生が担当するのは、中学1年生と2年生からなる英検3級クラスで、受講生徒およそ30名のうち、2年生が7割以上を占めるという。

 この日のテーマは「受動態」。1年生はもちろんのこと、2年生にとっても初めての内容だ。50分の授業のうち最初の30分ほどを使って、近藤先生は自作のパワーポイントで基本的な文法の説明を行った。生徒たちはノートに黒板を書き取ったり、英作文を書き込んだりしながら、初めての学習内容に耳を傾ける。

 次に近藤先生は『旺文社・英検CAT』の該当する文法問題を解くように指示。生徒たちはタブレットPCを開き、慣れた手つきで学習画面へと進む。生徒が解き終わる頃合いを見計らって、近藤先生は改めて、より詳しい説明を行った。

 「この授業では、学習進度が学年によって異なることもあり、最初は基礎知識だけ与えて、全部は教えずに一度、問題を解かせます。問題を解くなかで、生徒たちには『なんでこうなるの?』という疑問が出てくる。それを改めて説明して、全体像を把握させるのが目標です。その過程で『旺文社・英検CAT』の文法ドリルを活用しています」(近藤先生)

ICTを活用した学習教材で教員側に余裕が生まれる

 タブレットPCと『旺文社・英検CAT』の導入以前は、書店にあるような一般的な問題集を参考に、その都度、必要な箇所の問題プリントを作成し、印刷、配布していたという。ところが、この英検対策クラスは、各生徒の英検の合否結果を受け、メンバーが部分的に入れ替わっていくため、生徒によっては、過去に解いたことのあるプリントが再度配られることもあり、教員側に一定の対応が必要だった。

 「これまでは同じクラスに継続して在籍する生徒の確認や対応に時間をとられていました。『旺文社・英検CAT』はその点、一次試験の過去問題が数多く収載されており、文法問題も豊富なので、生徒を飽きさせないという利点があります。また、コンテンツがしっかり管理されていて、教員の負担が軽減されたことも大きな利点です。授業を進めるなかで、想定した場面で決められた問題数をすぐに提供できるというのは、非常にありがたいですね」

慣れた手順で学習画面を開く生徒
慣れた手順で学習画面を開く生徒

 また近藤先生は、授業の準備に費やす時間が大幅に短縮されたことで、より細かいところまで意識が向けられるようになったという。「今では『文法的な説明をするなら、中学生に教える場合はこういう方がいいかな?』など、以前より余裕をもった授業づくりができています」

生徒のやる気につながる「学習履歴」

生徒たちは集中して文法問題を解き進めていく。
生徒たちは集中して文法問題を解き進めていく。

 『旺文社・英検CAT』導入のメリットは、教員にとってだけではないようだ。生徒は、自分の学習履歴から、文法問題などの正答率をすぐに確認できるため、わからない内容についてどんどん聞きに来るようになったという。「授業が終わったあとに自ら残って質問してくる子の数が、通常のプリント教材でやっている時より増えました」と近藤先生は嬉しそうに語る。

 ICTという新たな武器と共に、同校の長年に渡る英語教育は更なる進化を遂げつつあるようだ。

海外・英語特別委員長
英語科主任
近藤 隆平 先生

生徒募集対策企画推進委員長
ICT担当・社会科主任
河東田 敦 先生

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