生徒が安全に、自由にタブレットを活用するために

青森県八戸市の取り組み

コンピュータ教室から飛び出して、自由に持ち歩けるのが魅力のタブレットPC。その一方で、盗難や紛失、ネットワークのセキュリティなど安全面の心配がつきまとう。児童生徒の活用を広げ、安心・安全に管理するためにはどうすればいいのか。青森県八戸市の取り組みを同市立白山台中学校を例に紹介する。

教員と生徒にルールを徹底

八戸市立白山台中学校
教諭 研究主任
畠山 洋一先生

青森県八戸市教育委員会は、2013年に策定した「八戸市教育振興基本計画」に基づき、市内の小・中学校へタブレットPC導入を段階的に進めている。2017年2月時点では、市内の小学校に各20台、中学校は各10台(一部、先進校には40台導入)を配備し、授業力や指導力向上に生かしている。

 そうしたなか、八戸市では安心・安全にタブレットPCが活用できる環境をめざして、タブレットPC向けのセキュリティ製品『WinKeeper TB』を導入した。同市は以前より、コンピュータ教室の環境復元ソフトとして『WinKeeper』を利用していたが、小・中学校へのタブレットPC導入に伴い、それに特化したセキュリティが必要だと判断したのだ。

 八戸市教育委員会・総合教育センター主任指導主事の石井一二三氏は、「学校でタブレットPCを使うなら、子供たちには自由に使わせたい一方で、教員から見れば盗難や紛失、セキュリティ面での心配があります。教員が安心しながら、子供たちも自由に使える方法はないかと、考えていた矢先に、環境復元ソフトとセキュリティがセットになった『WinKeeper TB』を知り、導入に至りました。この思いをタブレットPC起動時に表示される『このタブレットは、安全に使用できるようにセキュリティ管理されています』という一文に込めています」と語る。

 『Winkeeper TB』では、「校内モード」「校外モード」「校務用モード」と、タブレットPC上で利用シーンを選ぶだけで、あらかじめ設定されたセキュリティが適用される。たとえば「校外モード」を選んだ場合、教員や生徒が特別な操作をしなくても、その端末は、インターネットや外部ネットワーク利用ができないようにセキュリティが適用されるのだ。

 実際に『WinKeeper TB』が搭載されたタブレットPCを活用する八戸市立白山台中学校の畠山先生は、「操作が直感的でわかりやすいですね。セキュリティ対策が施されているタブレットPCを使うことで、教員も生徒も、安心して活用できています」と話す。同校では、教員や生徒たちにタブレットPCの使い方を説明する際に、校内モードに設定された端末を不正に持ち出したらアラームが鳴ることを実演して示した。これにより、生徒に対して正しく使う意識づけができた。

モードによりセキュリティ設定は異なり、各モードに合わせた注意事項や使用できるアプリが表示される。

校外モード

校内モード

万が一の紛失・盗難に備える

「持ち出し禁止」のメッセージが表示されたロック画面。

 『WinKeeper TB』には、盗難や紛失を未然に防ぐ「見えないワイヤーロック」機能が搭載されている。不正持ち出しや盗難、不正接続などが原因で校内無線LANの範囲から外れたとしても、大音量のアラームが鳴り響き、端末を自動的にロックする(写真・下)。もちろん、外部の第三者からは操作もできない。たとえタブレットPCが持ち出され、ロックがかかった場合でも、生徒の写真など個人情報が残る心配もあるが、漏洩防止が可能だという。

 「ICTがあまり得意ではない先生方は、タブレットPCの不正持ち出しや紛失といった想定外の出来事への対応の仕方がわからず、積極的に活用しないことがあります。『WinKeeper TB』なら、教員が予測できない事態でも安全面は確保されているので、安心してタブレットPCを使うことができます」と畠山先生は信頼を寄せる。

タブレットPC活用の授業を効果的に

 『WinKeeper TB』の導入による、タブレットPCを活用した授業の変化について、畠山先生は次のように述べる。

 「教科で学んだ内容が、社会にもつながっていることを学ぶとき、インターネットは必須です。コンピュータ教室へ移動せず、普段の教室でインターネットが利用できるのは便利ですね。また、『校内モード』でタブレットPCを使うと、授業に関係のあるアプリだけを表示することができるので助かっています」。結果として、授業中は教員が予測できないような事態は起こらず、生徒たちも授業からそれた操作をすることはないという。「情報が近くにあることで、生徒たちのモチベーションが高くなったと感じています」と実感している。

 また、昼休みには教員が見守るなかで、生徒たちがタブレットPCを自由に利用し、タブレットPCに導入されたドリル教材を友達と一緒に解くなど、主体的に学ぶ姿が見られるようになった。

 畠山先生は「教員が何も言わなくても、生徒が自ら学習がするようになり、理想の姿だと感じています。主体的な学びをめざす以上、教員と生徒が使いたいときに使える環境が理想的ですね」と語った。

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