CALL教室を日常に ~英語のチカラで未来を拓く~

―北海道―
北海道札幌国際情報高等学校

グローバルシチズンシップ教育を掲げる北海道札幌国際情報高等学校は、特に語学教育に力を入れている。それを支えるべく、校内で圧倒的な稼働率を誇るのは、『CaLabo EX』が導入されたCALL教室だ。そこで長年教壇に立ち、道内の高校英語教育を牽引する木村純一郎先生にお話を伺うとともに、その授業の様子を取材した。

CALL 教室を日常に
北海道札幌国際情報高等学校

北海道札幌国際情報高等学校
〒001-0930 北海道札幌市北区新川717-1

「世界の人々から尊敬されるグローバルシチズンとしての日本人の育成」を学校教育目標とし、道立校でありながら、全日制普通科の他、国際文化科、理数工学科、グローバルビジネス科という3つの学科を併設している全国でも珍しい高校。1995年開校。

CALL教室が支える語学学習

 北海道札幌国際情報高等学校は普通科を含め、4つの学科を併設する珍しい公立高校だ。国際文化科では第二外国語の履修が必須であったり、生徒全員が卒業までに英検2級以上を取得することもあったりと、語学教育の充実は本校の大きな特長の一つである。放課後に活動している英語部は全国規模のスピーチコンテストの優勝経験が複数回にのぼる。

 それらの学習を支えているのが、校内で圧倒的な稼働率を誇るCALL教室だ。本校におけるチエルのCALLシステムの導入実績は長く、現在導入されている『CaLabo EX』で3世代目だという。

教室の中を海外に

 本校の英語教育に携わって17年目という木村先生の授業は独特だ。まず、自らが徹底して英語のみで授業を行う。入学したての1年生に対しても同様だ。入学後1ヶ月ほどは、授業以外の時間も全て英語で貫き通すという。「実際に海外に留学するのは大変ですよね。それなら教室だけでも留学状態にすればいい。教室内では雑談まで英語になるのが理想です。私が日本語を話せないと思っている生徒もいるんですよ」と木村先生は笑う。

北海道札幌国際情報高等学校

「結構できたな」で終わらせる

 そんな環境の中で、1年生が最初に必要とされるのは英語のリスニング能力だ。この日、CALL教室で行われた普通科1年生の「コミュニケーション英語Ⅰ」の授業は、まず生徒用PCの画面上に、現在完了と過去完了の英文が表示され、その違いを考えさせるところから始まった。たとえ文法の説明でも、日本語は一切出てこない。しかし、文章を画面に提示しながら、繰り返し説明を与えることで、生徒たちは文法に構えることなく肌感覚で理解を進めているようだ。ただし、重要な英単語が出てきた際には、木村先生はその都度必ず、英和辞典で調べるよう促す。

 次は、音声教材でリスニングとディクテーションの練習だ。ムービーテレコを使って、英検3級程度の長文を聞き、Word上に、聞き取った内容を記していく。どれが必須情報なのかを見極める力も試される。時間は予め決めず、一人ひとりの書き込み状況を教員用PCで確認しながら、「結構できたな」と生徒たちがポジティブに感じられる頃合いを見計らって終了するのがポイントだ。

 この訓練を繰り返すことで、1年生は3ヶ月もすれば、驚くほどリスニング能力が向上するそうだ。

 木村先生によると「耳を鍛える指導ができること、必要に応じて生徒の書き込んだ内容をデータとして蓄積できること、教員が選んだ素材・教材がそのまま使えること」が『CaLabo EX』の魅力だという。

失敗を恐れるな

 国際文化科3年生の「プレゼンテーションⅡ」では、ディベート活動の第1回目の授業が行われた。生徒たちは、これから3ヶ月ほどかけて1つの論題に取り組む。もちろん授業は全て英語で進められていく。

 生徒たちと久々の顔合わせとなるこの日、木村先生は2年前の4月に生徒たちと交わした3つの約束、
"Mistakes are welcome."
"Don't compare yourself to the others."
"Never say never."
を再確認。これは英語学習のみならず、人生に当てはまるとしたうえで、授業を始めた。

 「公立高校の入試を廃止する」を論題に、まず生徒たちを4〜5人のグループに分け、ホワイトボードにメリットとデメリットを英語で記入させ、グループごとに、そのうちの1つを発表。それに対する反論を皆に求めるという手順で、本格的なディベートに向けた準備運動が行われた。

 ここでは、ICTではなく、あえてホワイトボードを囲んでグループワークを行うことで、意見を出しやすい雰囲気がつくられていた。「無理してデジタルを使う必要はないんです。アナログの方が頭に入ることもある。逆にディクテーションなどは、タイピングで指を動かすことで頭に入りやすい気がします」

問いの立てられる人間をつくりたい

北海道札幌国際情報高等学校

 今の日本の英語教育に足りないのは「問いを立てる」ことだと木村先生は言う。英語学習でありがちな「先生の想定する答えを導き出すための疑問文」ではなく、「知りたい情報を引き出すための疑問文」が実際のコミュニケーションでは求められる。

 「『問いを立てる』というのは、すなわちアクティブ・ラーニングです。間違ってもいい。トライ&エラーで人は成長していくのだから」

英語教育は人間教育である

 「弱点を見つけるより、大きな目標を設定することが大事」と木村先生。本校では「国際会議で積極的に議論する」という目標を掲げ、モチベーションを高めているという。

 さらに、「教育の目的とは、『成熟した強い人間を育てること』。その大いなる目的のどこに英語教育が寄与できるのかを常に考えながら、英語教育を組み立てていくべき」と語る。

 「常日頃から、英語学習の中で失敗体験と成功体験をバランス良く与えることで、精神的に強い人間を育てることを目指しています」と言葉を結んだ。

英語科
英語部顧問
木村 純一郎 先生

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