公開日:2008/04/01

教育大学だからこそのカリキュラム改革

次の教育を担う学生たちが学ぶ
CALL教室の導入

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階段教室の特性を活かし最後部の座席からもスクリーンが見やすく配置。

大阪教育大学では、CaLabo EX・SMART-HTML対応教材やAV機器に加え、車椅子にも対応するバリアフリーな環境など、教育大学ならではの拘りをも盛り込んだCALL教室が平成19年度に新設された。そこで、導入から約1年が経過した同教室の利活用について、欧米言語文化講座の安部先生、松本先生にお伺いした。

 「大学側が、私たち教員に求めたのは、コミュニケーションを重視した英語学習の機会拡充でした。しかし、教員の増員が見込めない中で、大人数のクラスで学ぶ学生の"聞く""話す"機会をどのようにして増やすかが、課題でした」と語るのは安部先生。コミュニケーション重視の英語が個々のペースで学べ、"自学自習"を意識させる環境を整えたいとの思いから、今回取り上げたCALL教室が新設されたのだ。学生や教職員のために、授業期間中の水曜日午後は、教室開放にしているのもその一環である。
 また、他大学を見学した時の様子を思い返す松本先生は、「初めは充実した設備に目を見張るばかりでしたが、新設の話が具体化するに連れて、教室内に掲示すべき内容や活用効果の検証方法など、運用面も意識して見学するようになりました」と話す。

 このように準備を重ね、情報処理センター等の協力も得ながら設計された教室は、現在、前期実績90%、後期実績80%という高い稼働率で授業が展開されている。

 このCALL教室を主に利用しているのは、共通基礎科目である「英語Ⅱa」を受講する二年生だ。TOEFL®テストITP(団体向けテストプログラム)の全員受験が課されている同授業では、その対策を目的として「SMART-HTML対応 『TOEFL®テスト完全攻略』」を活用した「英語Ⅱa」の授業が行われている。4名の教員が分担している授業だが、CALL教室導入を機に統一教材・統一評価を取り入れた。「統一教材として『TOEFL®テスト完全攻略』を使用する他は、各教員が、独自の方法で指導をしています」と話しながら、松本先生は、実際に学生向けに用意したシラバス等が書かれたプリントを見せてくれた。
 「CALL教室で行う授業の中でTOEFL®テスト対策を目的とした教材を利用する大学は、めずらしいそうです。この授業ではTOEFL®テストの素点、出席点、平常点で成績が決まります」と安部先生。「この授業を実施する前に調査した過去2回の結果よりも平均点が上がってほっとしています」と松本先生が続けた。

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「英語Ⅱa」のシラバス

 もちろんCALL教室で授業を始めた頃は、戸惑いもあったという。
 「学生は、待たされるのが嫌い。機器の操作で授業の流れが止まると、先生は、操作に慣れていないという"烙印"を押されてしまいます」と話す松本先生は、指導内容に合わせて操作手順書を作成し、授業を通して何度も改訂したという。「逆に、フリーズしたマシンに再起動を掛けたりすると、"コンピュータに強い先生だ"と思うようです。初めはドキドキしたCALL教室での授業でしたが、今はとても楽しいですよ」と笑顔になった。

 国定公園内にあり金剛・生駒の美しい山々に囲まれたCALL教室で、来年度もまた、多くの教員の卵たちが課題に取り組む。

欧米言語文化講座英語圏 安部 文司教授

欧米言語文化講座英語圏 松本 マスミ教授

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