評価の観点を明確化し、自作教材で生徒のモチベーションを上げる〜生徒のため、自分のための自作教材〜

P22-02.jpg
SMART-HTMLを使って作成した教材画面

 同校は広大な自然に囲まれ、澄み切った空気に思わず息を深く吸い込みたくなるような雰囲気の中にある。"生きた外国語教育"を目指す同校の授業で、オリジナル教材を作れるシステム『SMART-HTML』とフルデジタル学習システム『CaLabo EX』をご活用いただいている様子を知るため、斎藤麻紀先生を訪ねた。

P22-03.jpg
外国語コース授業の様子

 「毎週これらを作って授業で使っています」。斎藤先生に見せていただいたのは、英文がびっしりと書き込まれたプリントと、ご自身で作成された教材画面だった。プリントは「Words and Phrases(新出単語の紹介)」、「Script(英文)」、そして「True or False Questions(○×問題)」の3枚。題材となっているのは、インターネットから無料でダウンロードすることができるニュースなどの音声と英文テキスト。『SMART-HTML』での問題と「配布用プリント教材」を、毎週すべて手作りで用意している。  「全文を見せる前にプリントを配布して、この単語が重要だというのを日本語を交えながら、なるべく英語で提示します。その後『CaLabo EX』のムービーテレコを使って一斉に音声を聞かせながら『SMART-HTML』で作った選択問題を解いてもらい、最後にスクリプトと問題・解答を配っています。そして次の時間にディクテーションを行うことを予告し、新出単語の学習を宿題にするのです。次回は、私が作った穴埋め問題をパソコン画面上で解いていくという流れになります」。デジタル教材とプリント教材をうまく組み合わせ、授業を展開されている。

 生徒一人ひとりのペース・レベルに合わせて学習できることがCALLシステムのメリットでもあり、自学自習で活用している例も少なくない。「私は高校の教員ですから、CALLシステムを一斉授業で活かしたいのです。"自分のペースで"ということも大事だと思いますが、高校では"みんなで聞いて、みんなで考えて、それでどうだったのか"という進め方にこだわりたいし、そうあるべきだと考えています」。"高校の現場でCALLを活用する"にあたっては、斎藤先生なりのこだわりが詰まっている。

P22-04.jpg
神奈川県立有馬高等学校外観

 「評価」について、生徒に対しても明確化している。「観点別評価(※)を重視しています。音読の際の声の大きさ、自分が努力すれば成果が出るものに関しては"意欲・関心"に。録音して提出してもらった音声をチェックして"表現"にしています。そして"理解の能力"は、授業で学んだことを発展させたという点から、単語テストとTrue or Falseの結果に結びつけ、授業内容の理解・発展は"知識・理解"に入れています。こちらが要求するものを理解させて授業を行うことは、重要なことだと思います」。評価の観点に沿う形で授業を展開するため、教材は全て自作するのが斎藤流である。  教材作成に多くの時間を費やしているにも関わらず、苦労を感じさせないその表情が気になり、訳を聞いてみた。「正直言うと、教材作成は大変です。しかし、自分自身も勉強になっていることがたくさんあるのです。常に何かを教材のネタにしようと考えているため、必然的に情報を集めることになりますし、自然と勉強する機会が増えていることにもなります。生徒のために授業の準備を進める中で、自分自身も磨けるのです! 最近では、教材作成に楽しさも感じてきましたので、もう趣味の一つかもしれませんね」。次にやりたいことについては、「映画などの映像を扱いたいです」と意欲は十分。早速、次の教材探しのために、コンピュータとにらめっこを始めた。

※英語の4つの観点別評価:「関心・意欲・態度」、「表現の能力」、「理解の能力」、「知識・理解」

英語科 斎藤 麻紀先生

この記事で使われている製品

この記事に関連する記事